日本で発売される家庭用ゲームは、そのほとんどがCEROのレーティング審査を受けており、とくに性表現や残虐なシーンには規制がかかっています。このゲームは「Z指定」で18歳未満は購入することができません。今回は、以前のエントリ「Call of Duty4 MW2」に続いて、ゲームの残虐表現について取り上げます。
Gears of WAR は映画「アバター」の物語!?
Xbox360 専用ソフトに、「Gears of WAR」という人気シューティングゲームのシリーズがあります。
“開拓先の惑星で、英語が下手くそな先住民と戦う”、いかにもアメリカらしい内容のゲームです。…というより、アメリカでは映画でもそうですが、延々とこういう物語を量産している気がします。最近ですと、映画「アバター」もそのクチではないでしょうか。

チェーンソーで敵を切り刻むゲーム
このゲームの主人公は、超近接戦闘用のチェーンソーが付いたライフルで戦っています。敵を射殺するだけではなく、チェーンソーで敵を袈裟切りにできるという爽快感が、このゲームの魅力の1つです。
実際に私が遊んだ動画を、ご覧ください。
このように、このシリーズはとにかく「画が陰惨で、残酷なシーンが多い」ということで話題になりました。特に一作目が出た頃は、血や人体切断(ゴア)をこれほど表現したゲームは、日本ではあまり無かったということもあるでしょう。
肉体の切断面は、シリーズ毎に変化している
さきほどのムービーは、一作目のものです。切断した敵の死骸を蹴飛ばすと、切断面が真っ黒に塗りつぶされています。
これは、日本向けに行われた修正です。当時は、肉体の切断面を露骨に見せると、ゲームを販売できなくなる可能性があったのです。
Gears of WAR 2 では、モノクロに
2作目「Gears of WAR2」になると、この肉体切断面は、黒塗りではなく、筋肉や骨の模様が見えるようになりました。ただし、その色はモノクロになっており、血や筋肉とはすぐには分かりません。
これは、このゲーム全編を通して同じです。
Gears of WAR3 でもモノクロだが、進展が…!
3作目でも「肉体の切断面はモノクロ」路線は変わりません。プレイヤーが切断した敵の死体は、相変わらずモノクロの切断面です。
しかし、一部カラー(切断面がピンク色)になっていました。
「ゲームプレイ中ではなく、デモ映像中に敵に殺された味方の兵士」は、デモ終了後も切断面がカラーになっています。
日本におけるゲームの暴力表現は、力関係による?
Gear of WAR シリーズだけでなく、多くの他のゲームから察するに、暴力・残虐に対する日本の残虐規制の根幹には「ゲーム内の力関係」が影響しているようです。すなわち、
- 敵と主人公は対等の存在であったかを判断し、
- 抵抗できないシチュエーションの相手を
- 一方的に惨殺するようなシーンではないのか
- その場合、主人公に懲罰的な要素が付加されるのか(刑を科せられたり、ある種のステータスが下がる、など)
- 残虐行為を、プレイヤー(もしくは味方)が行うのか
という流れを、それぞれ要素の重み付けで判断されているのでは、と推察できるのです。
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