海外製のゲームで「CALL OF DUTY」という人気シリーズがあります。このゲームはスクウェア・エニックスが日本語化して国内で販売しており、PlayStation3やXbox360で気軽に遊ぶことが出来ます。
戦争を題材にしており、最前線の兵士や秘密工作員の立場で戦場で戦うという内容です。大国や権力者のエゴによって戦争が引き起こされて、最前線の兵士や民間人がとんでもない目に遭わされる様を描いており、ゲームそのものは「悲惨な戦争を追体験する」という視点をきちんと描いています。
しかしこれはゲームであり、娯楽のための作品です。敵兵士などを射殺する爽快感を得られるように工夫されており、その中にはかなり後味が悪いシーンがあります。
モスクワの空港で、虐殺を行う主人公
このシーンは、モスクワの空港でテロリストの一員として、民間人と警察官を虐殺する場面です。ゲームを遊ぶプレイヤーは、テロリストの視点になり、空港を阿鼻叫喚の地獄絵図に叩き込むことになります。
テロリストのリーダーから、ロシア人を殺すように指示されます。
この後、空港のゲート付近から大虐殺が始まります。プレイヤーは、テロリストの一員という設定なので、本来なら民間人を射殺する立場にいるわけです。
プレイヤーが民間人を射殺すると、ゲームオーバーになる
しかし、実際に民間に対して発砲すると、「民間人を攻撃してはならない」と表示されて、ゲームオーバーになってしまいます。

民間人を攻撃してはならない と表示され、ゲームオーバー
プレイヤーが発砲しても良いのは、銃を構えた警察官だけです(まだ銃を抜いていない警官は、民間人を撃った場合と同じようにゲームオーバーです)。
ゲームの流れと、主人公の立場
ゲームの流れとしては、ここで民間人を虐殺する役のプレイヤーは、実はアメリカ人の潜入捜査員で、ロシアのテログループを内偵中ということになっています。内偵の過程でテロ事件に関わるのですが、テロリストとしてふるまっている以上、ここでは民間人を殺すようにプレイするのが、当然の話の流れです。

仲間のテロリストと共に、民間人を虐殺していくはずのシーン
物語の中では、このシーンで
- ロシアの反政府テロリストが残虐非道である
- アメリカのCIA工作員も、任務のためなら良心の呵責もなく民間人に発砲する(大義名分の身勝手さ)
を描いており、あえて残虐な行為を遊ばせることで、事件の陰惨さを印象づけています。その後に彼らテログループに対する復讐劇が始まる、というストーリーです
アメリカで販売されたとき、このシーンでは実際に「民間人を殺して」ゲームを遊べるように作られていたのですが、日本で発売された際に、そこが修正されたのです。
※このゲームは 【CERO D:17歳以上を対象】 と表示されています。家庭用ゲームの審査機構である CERO は、「犯罪を描写している」「暴力的な表現がある」と認定し、マークで明示しています。
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