赤外線写真は、可視光を遮断して赤外線を透過させるために、フィルターを使用します。ケンコーなどからは、レンズの先にねじ込むタイプも発売されており、金額に目をつぶればとても気軽に使えます。しかし、このブログでは「予算5千円で始めよう」が基本コンセプトです。
ほとんどのコンパクトデジタルカメラは、ゼラチンフィルタ用のマウントを取り付けることが出来ません。そのため、カメラを改造してフィルタを内蔵してしまいます。
富士フイルムのフィルターを選ぶ
では、フィルタは何を使えば良いのでしょうか。富士フイルムからは1000円以下で様々なものが発売されています。このうち、「SC」シリーズや「IR」シリーズを赤外線写真では使用します。
SC または IR フィルターは、20nmごとに、たくさんの種類が発売されています。赤外線写真に使うには、SC56〜SC74 あたりから選ぶことになるでしょう。また、IRフィルターは IR76 〜 IR84 あたりになると思います。IR86〜を使用すると、デジタルカメラにとって露光不足になりやすく、露光時間は長くなり、手ぶれしやすくなってノイズも増え、有り体に言って使いにくいのではないでしょうか。
実際に撮り比べて、比較してみることにしましょう。
オススメは、SC64 〜 SC72
フィルム式カメラでは、赤外線写真とはモノクロ写真でした。しかし昨今のデジタルカメラによる赤外線写真は、「偽色(False Color)」を盛り込んだカラー写真が流行です。
この写真は、夏の盛りに福岡市中央区・赤坂にある福岡地方裁判所の前で撮影したものです。同じ場所で、ほぼ同じ時間帯に、ほぼ同じ画角で移した比較したのが、下の写真です。
( ↓ クリックすると、大きく表示できます)
どの写真も、RGBカラースワップを行っています。こうやって比較すると、それぞれ特徴がわかると思います。
IR78 は赤外線しか透過していないので、ほぼモノクロ写真のようになっています。しかし可視光を取り入るにつれて、偽色が強くなっていきます。
この写真では水面まで蓮がびっしり繁殖しているので見えませんが、偽色が強くなるほど、水面や青空の暗さが普通の写真に近づいていくので、赤外効果が弱くなっていくようです。
個人的には、SC66〜SC72あたりが、赤外効果と偽色のバランスがとれて、使いやすいのではないかと思います。
赤外線写真用のカメラ改造を依頼されました
サークル「砂上の空論」やNPO法人ドネルモで活躍されている とり さんに依頼され、Panasonic の LUMIX DMC-66 + SC66 の赤外線写真用のデジタルカメラ改造を行いました。参考までに、材料費を記載しておきます。
材料 | 価格 |
---|---|
デジタルカメラ LUMIX DMC-FX66(Panasonic) | 1,050円 |
SC66 フィルタ(富士フイルム) | 990円 |
0.3mm 透明プラ板(田宮模型) | 630円 |
DMW-BCF10対応 互換充電器(リマークジャパン) | 490円 |
両面テープ・ナイスタック(ニチバン) | 220円 |
合計 | 3,388円 |
この改造手順は、コミックマーケット 85(3日目・12月31日)に発行する同人誌で紹介する予定です。
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